Key word + My view

『CASSHERN』の中の印象的な風景やシーンを私の主観でキーワードにしてみました。
キーワードに対する解説は下のほうにあるので下にスクロールしてください。



Key word

暗い荒廃した町の風景

ミドリの庭園

カメラから写る女性

研究所

目に見えぬ鉄也

真っ青な月夜

殺風景な通り

気の遠くなるような吹雪の雪道

廃墟と化した豪邸

新たな王国

上月家

ボディースーツ=防御服

鉄の悪魔

美しき人の眠る場所

第七管区

行く末もわからぬ緑の森

差し込む太陽の光





Key word for my view


荒廃した街の風景

世界の中心である亜細亜連邦共和国の核となる都会の街並みは、
常に薄暗く、鉄の擦れあう鈍い音や、その臭いまで漂ってきそうなほどの人工街であるように思える。
緑の存在はなく、冷たい雰囲気が、人々の心の闇を映し出しているのかのよう。



ミドリの庭園

印象派の画家マネの庭画を彷彿とさせるような鮮やかな葉の緑や、
色とりどりの花の発色は目の覚めるような夢の世界のような植物博士、東ミドリの庭。
絵の具のチューブからそのまま風景にと溶け込んだような斬新な色は
、一歩外にある、荒廃した街を否定するかのように美しく強くその存在感を固定付けているかのよう。



カメラから写る女性

庭園にて記念撮影する東家と上月家。
男性は地味な装いの中にも立派な動じない存在感を確立している。
そしてミドリとルナ、
二人の女性の目を瞠るような美しさは、
その地味でいて女性らしい、二人のそれぞれの個性を感じるシンプルな服装と、メイクアップ。
心の底からの無償の優しさを感じられるミドリの単色使いにラメ感のある薄いメイク。
その若さと、煌びやかさ、若さゆえの不安も感じられるようなルナの目の表情と、真紅の口紅。


研究所

ものものしい警備の東博士の研究所は、一定の暗さを保った所内に、奇妙に赤い警備灯がひかる。
培養液に反映する赤い光も否のイメージを感じられる。
倫理的見解への葛藤のようなものを感じる。


見えぬ鉄也

戦地にてすでに戦死した鉄也の、目に見えぬ姿は、
黒のかっちりとしたコートが悲しげな表情と眼差し、何よりその心を映し出しているかのように感じられる。
閉ざされた心と、解放を望む気持ち、悲しみを感じた。


真っ青な月夜

静かに人類への復讐の念を抱き始める新造人間、
ブライキング・ボスが見つめる先には荒廃した街の夜の風景と、押しつぶされそうな青白い月。
赤い旗を身にまとうその後姿は、滅亡へ導く静かなる怒りと、
その復讐を誓いざるを得なかった切なさを感じる。


殺風景な通り

国葬される事になった鉄也の棺が軍によって運ばれる通りは、
実に殺風景で延々と続くような冷たいコンクリートのアスファルトと、
その向こうに何があるのかさえ忘れてしまいそうなほど強い意思を感じる壁。
そこには悲しさ、切なさ、不安などの要素のみでできた人間の心を表しているのかのよう。


気の遠くなるような吹雪の雪道

生き残った新造人間が王国を目指して進む過酷な道は、
猛吹雪で先が見えぬほどの雪道。
他人のエゴによって生み出され、敵対され存在価値さえ否定された新造人間たちの心が表されているかのよう。


廃墟と化した邸宅

猛吹雪の彼方に聳え立つ豪邸は、重い扉と廃墟化してしまった生活の跡が垣間見れる今や冷たい空間。
人間が繰り広げてきた戦争で、忘れられた日常の思いが残された跡を時の経過だけが思い起こさせているかのよう。


新たな王国

そして新造人間は廃墟の豪邸を彼らの王国とし、その基盤の一切をこの場とする。
冷たさを感じることはそのままにしても、彼らが復讐という念だけで築き上げた彼らの王国はものすごいパワーと信念を感じる。


上月家

亡き母の肖像が飾られた上月家には暖色で彩られた暖かさを感じる。
亡き母の暖かさがそのまま反映されているかのように。


ボディースーツ

新造人間として蘇った鉄也の発達する筋肉から皮膚を守るボディースーツ。
ヒーローものによくあるヒーローが身に付ける鎧のようなボディースーツが、
この作品では普通の人間ではない身体の成長過程を防御すると同時に、
自らも守っているといった正確な納得できる理由になっている。


鉄の悪魔

アニメ『新造人間キャシャーン』の名文句、
「・・・鉄の悪魔を叩いて砕く・・・」
というように、この作品での鉄の悪魔、ツメロボを実際に鉄也は手で叩いて破壊している。
その破壊力とスピード感にはハッとさせられる。



美しき人の眠る場所

生きとし生けるもの全てに惜しみない愛情を注げる博愛主義な女性が、
東博士の妻、ミドリである。
息絶え絶えであった新造人間に必死で蘇生術を試みる人間の姿に光を見出したブライキングは、
彼女を王国に連れて行く。
その薄暗くも、深いグリーンの落ち着いた部屋で眠るミドリの顔には、
常に平穏が、願う平和が写し出せれ、何より、優しさが溢れていて近寄るのが恐れ多いように感じる。



第七管区

森を抜け出した先には白黒で表された荒れた第七管区。
人々の表情は暗く、何かを秘めているように思える。
哲也とルナを助けた医師の優しさ、おおらかさの反面、にじみ出る悲しさ、平和な暮らしを願う切実さがうかがえる。
この区内の描写は時に、人間の忘れ去られた部分が蘇るような懐かしい雰囲気も感じた。



行く末もわからぬ緑の森

鉄也とルナが逃げるように迷い込んだ森は、
悲しいほどに美しく、木々の葉の呼吸さえ感じるような、まるで朝の静けさのような空間。
争いも、憎しみも、悲しみも拭い去ってくれるような、美しい森の先に希望はあるのだろうか。



差し込む光

鉄也とルナを包むようにして差し込む眩しいほどの光はこれからの二人の愛を、強い絆を象徴にしているかのよう。